あとましーん

SIerで働き、外出で何か美味しいものをさがし、節操なく興味のままに行動するアラサー男の備忘録です。

会計システムのインプットは仕訳、アウトプットは部門とセグメントのB/S・P/Lに集約される!? その2

 

永遠に来ないと思っていた第2回、なんとか書くことができました。

 

前回はこちら。 

para-no-para.hatenablog.com

 

そうですね。前回までは、ERPって何?会計システムって何?というところを書きました。

 

今回は、

財務会計で意識することは?

・インプットは?

・アウトプットは?

・ほんとにその他は気にしなくていいの?

ということを書こうと思います。

 

目指すところは、財務会計システムって何をするの?何を気にしたらいいの?というイメージを持つことができるところです。

 

財務会計システムで意識することは?

ERPの会計システムを語る上で、意識しないといけないのはインプットとアウトプット、要は何を入力してどんなものが表示されるかです。システムを検討する時や勉強していく時に、主に見ることはこのポイントだと思っています。

最初の頃、システムって何?どこ見たらいいの?見た目のかっこよさ見ればいい?と全く僕もわからなかったのですが、だんだん気づいてきました。何を入れて何が出てくるか注目すると、理解しやすいです。

 

前回、会計システムにも色々範囲があると書きましたが、今回は範囲を限定して、財務会計について書きます。

 

ちなみに、財務会計システムのイメージを図で書くとこんなイメージです。

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インプットは?


財務会計でのインプットは何でしょうか?簿記を勉強している方であれば、すぐお判りだと思います。インプットは、言わずと知れた仕訳です。

売掛 / 売上 のように、仕訳を入れることがすべての始まりです。

 

<仕訳伝票の例> 

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上では、仕訳伝票のイメージですが、システム上にこれを登録することがほぼインプットの全てです。手法としては、システム上に手作業で入力・Excelで作成して一括で受入・入出金明細を確認して自動で記帳等があります。中でも、システム上に入力する例では、片側の科目を固定にしている特定の伝票入力画面があることも多いです。入金伝票(借方が預金勘定、貸方に収益科目を入れる)などですね。

 

昔は入金伝票・出金伝票・など特定の用途毎に入力画面が分かれているシステムが多かったですが、結局仕訳を入れれば問題ないですよね、ということで最近は1つの仕訳入力画面が主流だと思います。

 

さらに言うと、私が携わっている会社で言えば、手作業で入力することはほとんどありません。多くは、基幹システムと言われる販売管理システム等から売上データを連携するケースであったり、給与システムから給与仕訳を連携する等、連携がほとんどです。連携の手法としては、ExcelCSVが多いような気がします。まぁExcelCSVは担当者が書き換えると内容が変わるというデメリットはありますが、少なくとも全て入力していると入力ミス・入力の手間がある為、実際はほとんど入力することはありません。もし、ExcelCSVの受け入れができないシステムだったなら、それは流石に変えた方がいいです。効率が全く違います。

 

あと、インプットに関して言えば、システム導入して初めて知ったことなのですが、経理の人は摘要(備考)を非常に重要視されます。これが空欄で登録されていることはほぼないです。やはり、総勘定科目だけでは、あとから見るとわかり辛いので、常に見返して分かるように備考情報を入れています。例で言えば、旅費交通費という科目に対し、「大阪出張のため」など補足情報を入れるようなイメージです。SEであれば、摘要文字数は必ず聞かれるので、50文字です!など即答できるようにしたいですね。


アウトプットは?


アウトプットは?と言いますと、最終的には部門とセグメントのB/S・P/Lに集約されると思います。

B/S:貸借対照表
P/L:損益計算書
の意味です。

 

事業所毎の資産比較をしたい、の例で言えばこれは部門のB/Sです。
通販事業の損益比較をしたい の例で言えばこれはセグメントのP/Lです。

 

何の為にB/SとP/Lを作るかと言いますと、今いくらお金もっているか、どのくらい儲かったかを内部・外部の利害関係者に示す為です。このB/S・P/Lを様々な科目・部門・セグメントに対し集約・階層化しながら表示することが会計システムの目的です。その途中経過として、仕訳帳や総勘定元帳や合計残高試算表がありますが、最終的にはB/SとP/Lに集約されています。

 

何それ?会社で合算した合計が表示できればいいよね?簿記では、それしか習ってないですけど。。。

 

と最初疑問に思ったのですが、企業のお金にまつわる情報は財務会計に最終的に集まってくるので、それを部門やセグメント(事業)毎に比較することで、いい経営判断ができる!ということで細かく見て分析しているようです。

 

事業にもよるのですが、販売管理システムは通常売上と仕入しかわからない為、見ることができる範囲は売上総利益までとなります。一方、販管費一般管理費まで考慮した営業利益まで把握したいという思いを叶える為には、会計システムで見る必要があります。

 

その他のアウトプットとして、上記の通り総勘定科目元帳や仕訳帳もありますが、これはどこもそこまで変わらないと思います。総勘定科目元帳から仕訳へドリルダウンできるとシステムベンダーの営業がドヤ顔で言うのがお約束です。

 

そしてもっと言えば、アウトプットをどのような粒度で行うか確認することで、必然的にインプットの粒度が決まります。当たり前ですよね。部門別の損益を見たければ、部門別に仕訳を入れる必要があります。家計簿で言えば、奥さんがどのくらい使っているか確認する為には、自分と奥さんで区別して入れるイメージですね。この例では単純ですが、どの組織に紐づくか、どの事業(セグメント)に紐づくかなど細かく見ようとすると、その分細かな入力が必要となります。

 

ちなみに、最近重要視されているキャッシュフロー計算書については、システム化している例が非常に少ないです。これは、結局インプットを全て仕訳で行う為、仕訳からキャッシュフロー計算書を作るとなると仕訳のパターンによりどのキャッシュフロー項目に該当するか紐付けが必要となります。ただ、この紐付けが非常にパターン数が多くなり、面倒になるということよりどこの会社もExcelで作成しています。


ほんとにその他は気にしなくていいの??


いや、これだけではなく、他にも考える要素があります。内部統制という言葉をご存じでしょうか?JSOX法と言われていたりしますね。

www.ifinance.ne.jp

簡単に言えば、正しい登録・承認を行い、信頼性のある情報を作りなさい、ということです。


これにより、セキュリティ・承認機能が求められます。

 

セキュリティというのはイメージつくと思いますが、例であげれば、権限の無い人は登録作業ができない、特定の科目は限られた人にしか見せないなどの例です。よくあるお話で、交際費は役員が使用することが多く、一般社員に見せたくない、というのはよく聞きます。夜の銀座に繰り出すんですかね。役員さん、いいですね。是非、僕も一緒に。。。

 

承認機能というのは、承認行為無しでは仕訳の登録が完了しないという機能を指すことが多いです。一人の登録だけでは不正が起こりうるので複数人でチェックする、という用途でよく使います。

 

この辺りの機能については、個人向けと中規模以上の会社向けの財務会計システムで機能として全く異なってきます。選ぶ時に要注意な機能の一つと言えます。個人だと、セキュリティも承認もいりませんしね。


その他の機能として、納税に便利な機能等も求められます。中でも、消費税に関しては、日々の取引の積み重ねとなる為、会計システムで入力必須となります。

 

この辺りは、税務専用ソフトも多く出ており、この辺りと組み合わせて考えることがいい選択肢かな、と思います。

 

 

はい、また長くなりましたので、今回はこれで。

またシステム関連のことは別で書こうと思います。