あとましーん

SIerで働き、外出で何か美味しいものをさがし、節操なく興味のままに行動するアラサー男の備忘録です。

【書評】事例で学ぶBTOBマーケティングの戦略と実践 感想①

今日は行ってきました。そうです。選挙。久しぶりな気がします。前回行ったときがいつか明確には覚えていませんが、雨で面倒と思う気持ちを押し殺して行ってきました。

 

それはさておき、kindleの機嫌が直ったので、「事例で学ぶBTOBマーケティングの戦略と実践」の感想を書こうと思います。2020年11月に発売された、比較的新しい本です。

 

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僕はこの手の本を読んだことが無く、ピュアな気持ちで読むことが出来ました。

 

今勤めている会社は東証1部上場企業で営業が強い会社ですが、マーケティングといいつつも企業規模を見ながら電話を五月雨に続けるというスタイルです。注文は1案件毎に1千万から2・3億が一般的な規模です。営業数百人が毎日電話ばかりしています。入社して全く変わらないスタイルで、安定感がありつつもこれが普通なのか?と思っていました。社内の営業が言う口癖としては、電話する先が無い。いい企業は他の営業が唾をつけている です。実際、電話をかける先を探すだけでも相当な時間をかけており、さらに面談の時間をもらう為にそれ以上の時間をかけています。ちなみに、営業会社のイメージのキーエンスに転職した後輩の話を聞くと、問い合わせしてきた企業一覧が渡されて、それを元に電話をするので必ず面談の約束がもらえるそうです。大幅に効率が良くなり、全く電話が苦にならないと言っていました。まじか。。竹やりと鉄砲かよ・・・

 

そんなこんなで、転職すると決まっていながらも色々な引出しに興味があるので、この本を読んでみました。

 

著者は色々な企業にBTOBのマーケティング支援をした知見があるようです。

この本曰く、今の時代は昔と異なり、営業担当者に会う前に半分以上の購買プロセスは終わっている。課題解決の方法はいまや営業パーソンではなく、顧客自らが決めている ということでした。

 

うーん。どうかな。少額商品や一般的な商品はその考え方もあるかもしれませんが、BTOBは金額規模が比較的多くなりがちで購入者情報が限られる 尚且つ 各社が物だけでなくサービス含めて販売をしている 為に顧客のみで情報入手や比較が困難な印象です。売る側と買う側に情報の非対称性が存在していると思っています。実際、今の会社もそれを糧に販売実績を伸ばしていると個人的には思っています。

 

続いての記載は、今はテレワークが増え、デジタル化・オンライン化が営業活動でも進む。4つの不「不要」「不急」「不信」「不適」を解消できるコンテンツ(記事・動画・資料)を予めWeb上に公開する必要がある。ということでした。

 

たしかに、コロナ禍になってから、そもそも電話がつながらないケースが増えています。とはいえ、今の会社はWeb上でのコンテンツ公開はノウハウ漏洩ということで避けていました。どうせ他社が本気になれば情報は漏れますが、先ほど記載した情報の非対称性を活用する為にはコンテンツを公開しないことも一つの選択肢かなと思ってました。これは他社で記載されているノウハウを公開する、対面の時に公開された情報以上に伝えることがいいかもしれませんね。

 

続いてBTOBマーケティングのBTOCとの違いやマーケティング投資の前にLTVの強化について記載されています。LTVは聞きなれない言葉だと思いますが、Life Time Valueの略で顧客生涯価値と言われ、1顧客が生涯に生み出す利益の合計です。これにCAC(Customer Acquisition Cost 顧客獲得コスト)を除算したユニットエコノミクス「LTV÷CAC」がプラスになっているか考えることが必要と言っています。

 

ん??置いて行かれたぞ。全然聞きなれない言葉です。とはいえ、意味は分かります。

1億円を受領する為に2億円をかけたとすると、ユニットエコノミクスは0.5ということですね。SaaSのようなビジネスであれば、「3」以上が目安になるようです。今の会社は営業による電話中心で、1顧客あたりの獲得コストが全然つかめず、言葉としては新鮮でしたが参考に出来ないかなと。SaaSの具体例が記載されていましたが、たしかに数千円から数百万規模であれば、広告宣伝費等で獲得コストも測ることが出来て有益な考え方かもしれませんね。

 

続いて、よい商談を生むためによい階段を設計する です。

これは、最終的な案件成約までにメルマガ登録・無料トライアル・有料セミナー等、細かくハードルと設けることを意味しています。ほとんどの企業では見込み顧客が足りない・商談数が少ないという悩みを持っていますが、それらは階段が適切な高さで設置されていないからと言っています。

 

これは確かにそうかもしれませんね。特に高額になればなるほど、決断は難しくなります。さらに、途中の階段まで登ってもらえると、せっかくここまで登ったので無駄にしたくないという心理も働き、成約率は高くなりますね。

 

長くなってきたので、続きは明日以降に書いていきます。